2019年7月11日、本日の最高気温22℃。
ここ10日ほど肌寒くてなんなら最高気温20℃にも満たない日もあったりして。
最高気温がそれならば最低は15℃未満。
九州出身のわたしからすると7月なのに暖房のお世話になるとかびっくりする。
ちなみに本日九州は30℃超えだそうで、植物の育成的に羨ましいです!
さて、先日迎えたベアルートのパキポディウム・グラキリスの続きのお話。
もう1度言いますけども7月なのに寒いんです。
5月の終わりくらいから屋外に出した植物たちを再び室内に取り込み、徒長しないように水やりも騙し騙し、アデニウムは秋かなって思って葉を枯らし始める始末。
肌寒い初夏に開始したパキポディウム・グラキリスの発根作業、今日は写真も多いし長いよー!
未発根グラキリスの発根管理
この子は根もなければ葉もない。
本体を掴むと若干フカフカする。
水をかけなくても身体は緑色で生きてるように見えるけど、緑すぎて逆になんかやばいんじゃないかと不安になる。
前回、発根剤入りの水で水耕と書きましたが使っていたのはこちら
発根促進剤 ラピッドスタート
made in 海外でホームセンターなどにはないので知らない人は全く知らないと思われます。
この商品をググるとプルメリアが出てくるのでそちら界隈では有名なのかな?
たまに塊根植物に使ってる方もチラホラ見かけたりしますが、今回これを使ってみようと思ったのはプルメリアとグラキリスは同じキョウチクトウ科だから。
念の為、キョウチクトウ科 - Wikipediaを参考にざっと見てみる
会ったことないけど存在は知ってる遠い親戚くらいの感じ。
最近の研究だと、すごく近いように感じるアデニウムとパキポディウムでさえ結構遠縁だと分かってきたような記事もチラ見したのであまり当てにはならないかもですが。
公式発表の成分を見ると、はっきりと記述されているのは2つ
・Ammonium nitrate 硝酸アンモニウム(硝安) NH4NO3
硝安は水にたいへん溶けやすく、速効性の肥料です。また副成分を含まず、化学的にも中性で、アンモニアも硝酸も両方吸収利用されるので、土を酸性化しません。 注意点は吸湿性の強さで、濡れた葉にけ着すると害があります。また、排水性の悪い圃場では作物根を傷めますし、有機質肥料と混ぜて施すと、一層肥当たりを起こします。液肥体系の中で使うとよく効き、実用性の高いものです。
・Phosphoric acid リン酸
リン酸は植物体内でのタンパク質合成や遺伝情報の伝達に重要な働きをする核酸の構成成分であり、エネルギー代謝にかかわる重要な物質でもある。リン酸をやると根の伸びがよくなる、葉にツヤが出て硬くなる、チッソ過多の作物でもチッソの代謝がすすむなど、リン酸の悪口を言う人は少ない。
・ pHは6.25 中性
その他の成分については不明。
水耕でも土耕でも使用可だけど、どちらかといえば水耕栽培向きらしい。
この発根促進剤入の水に漬けて水耕栽培してみました。
水耕で行う発根管理記録
水耕開始から2日目
水に漬ける前には気づかなかった部分、この丸い膨らみは?枯れた根はここから出てるけど、もしかしてこれがカルスってやつ?
水換えは毎日行っていたので、この部分を毎回確認してみることに。
開始から6日目
根回りに残っていた硫黄がかなり剥がれて、よりハッキリと状態がわかるようになりました。
で、丸い部分の左下のとこ、なんか出てきてるような気がする。
アップにすると
「そう思いたいだけ」と言われれば、否定はしない!
でも丸いとこも少し膨らんでる気がする。水分含んで膨張?それも否定はしない!
その他の部分に関しては特に変化も見られず、そもそもついていたチョロ根に関しては黒く変色してきたので随時切って処分。
開始から8日目。少し下の角度から。
ほらね?ドヤァ
出てるよね?ドヤサァ
ってワクワクしてるけどぜんぜん違う何かだったりする可能性もあるわけで。
実はこの8日間の間に本体はまた少し凹みが進行しているような状態で少し焦る。
最終的に更に2日、トータルで10日間ラピッドスタートに漬けたけどあまり変化が起こらなかったので次の手をば!
植物成長調整剤 オキシベロン
普通に国内で発売されている発根剤。
発売元はバイエル クロップサイエンス株式会社、公式HPはこちら。
主な成分はインドール酪酸
インドール酪酸は植物の根、茎、葉、果実に吸収されるが、移動度は非常に小さく、インドール酢酸オキシダーゼによって容易に分解されず、生物学的活性は長く持続する。 その内因性オーキシンに類似した生理学的役割は、細胞分裂および組織分化を刺激し、新しい根および血管束系分化の形成、単一シード誘導、無核果物の形成に資する。 誘導された偶発的な根は、ルートシュートの形成を促進し、不定根形成を待つ。
こちらはホルモンに働きかける成分のため、長期間における使用ではなくごく短時間に一定量を該当植物に吸収させ発根を促す使い方。
なのでこのオキシベロンを40倍に希釈し約24時間漬けた後、土に植えました。
ちなみに適量のオーキシンは成長を促進しますが、濃度が高いと逆に成長を阻害するらしいのでお気をつけください
土は2日前に作って水を含ませ、扇風機に当てながら乾燥を促したもの
鉢どうしようかなーと思ったけど、見てみたくて透明なカップに穴を沢山開けてます。
んで、黒い鉢カバーに入れて放置開始。
発根における環境
ベアルートの発根管理で調べるととにかく鉢を温める!って情報に行き着くかと思います。SNSなどで見かけるのは爬虫類用?のパネルヒーターの上に鉢置いて温める方法。
だけどうちにはないし、今回こんなに気温が上がらないとは思ってなかったので準備も間に合わず、土耕栽培に切り替えの際にとりあえず家にあるもので作ったのがこちら。
絶対にインスタ映えはしないんだけれども。
水槽に、小動物用のヒーター入れて、スポンジ濡らして加湿して半分蓋をする。
水槽内気温28℃、湿度60%
日中はレースカーテン越しに明るくなりますが陽の光にはあたりません。
たとえば水で手を洗った後にグラキリス本体を触るとしっかりと暖かく感じるくらいにはヒーターのからの熱が伝わってました。
このヒーターは水濡れ厳禁なので、1日1回水槽から出して鉢ごと全体に霧吹き(真水)
発根確認
土耕栽培に切り替えて2日経過し、3日目の昨日のこと
なんか更に本体が柔らかくなったような気がする…
一旦確認して、変化がなければもう1度水耕にしてみるかと抜いてみた
おおおおおおおおおおおお?
横から!
これは!!!
発根!
めっちゃテンションあがった!
やっぱりあの丸い部分はカルスだった!
カルス自体は倍ほどに膨らんで、乾いた外側を突き破りながら根が出てきています。
そして完全にノーマークだった箇所からも。
あーホッとした。
ちゃんと生きてたし、まだ生きようとする意志もあった。
そこからは根に負担がないよう、いっそいで写真を撮り、新たな土を作って今回はスリット鉢にきちんと植えました。
なんでスリット鉢かって、今度また書こうと思っていますがアデニウムの根でスリット鉢の効果を感じるようなことがあったから!
個人的に、発根を確認できてストレスも最小限の最高のタイミングで土耕栽培に移行できたと思う。
パキポディウムグラキリス発根管理のまとめ
ただ、ある程度気温・水温をキープするのは大切な発根要素だと思うので、晩秋~冬に発根管理をされるときには株が冷えすぎないように注意されてください。
すぐ直射日光には晒さず季節に応じて、日陰~寒冷紗下から外気温と太陽光に慣らしてあげてください。発根から3ヶ月程度で自身を維持できる程度の根量になるようです。
というわけでベアルート株の発根にかかった期間は約2週間でした。後はこの出た根がじっくり育って、じーちゃんのおしりになってしまっている本体が細マッチョの上腕二頭筋くらいにプリッとなってくれることを祈ってます。
ではまた!
7ヶ月後…鉢から出してみました
なぜスリット鉢にしたのか?書きました。
そして、「じーちゃんのおしり」よりも苦戦した別株の発根管理はこちら
発根後のお話はこちら