早いもので今年も木枯らしが吹き荒れる季節となりました。
ブロクに記録せねば…と思いながらも何かとバタつく私生活に追われの今。
とりあえずパキポディウムたちの思い出2021から書いておこうと思う。
春に植え替えたパキポディウム属
実生のグラキリス 2021年夏の成長
今年3月に2018年播種の実生たちを植え替え
それから7ヶ月経ち、種まきからは現在3年4ヶ月
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育つには育った。花は咲かずに2株が分頭。
このパターン増えてきてるんだけど花も見たいのよ。
去年末に引っ越し、今の家で迎える初めての夏。普通のマンション南向きベランダですが、それまでの家では簡易ルーフバルコニー的な、おはようからおやすみまでサンサンと太陽が降り注ぐところで育てていたので今更ながら塊根植物育てる難しさにぶち当たっているのです。ホント今更。
特に夏至前後の1ヶ月は地獄で、ベランダから外に手を伸ばせばそこに陽はあるのに植物には届かないもどかしさ。やっぱりハウスが欲しい。
で、続き。今年は現地球株も植え替えまして。
ベアルートの発根確認した後、土に植えて1年半経過し根も落ち着いだだろうから小ぶりな子たちをロング鉢で揃えたいなーってことで、グラキリスとイノピナツム。
どちらもきちんと春に目覚めて機嫌よく成長開始してた6月に掘り起こされる2株。
さあ、見せておくれ・・・
根を!
グラキリス現地球の植え替え
発根から約1年半経過時点、これはなかなか。底の方の根は水を切っていたせいか結構干上がっており、根鉢寸前なのも相まって冬場に少量与えていた水を求めた根が上に向かっているのもわかる。たまに腰水してたら良かったかも。
植え替え後もしっかりと吸水できている模様。この子も花は咲かずに分頭し、成長点が増えたことで今年は盛大に葉を展開してました。うまく育てられたら良い枝ぶりのかっこいい株になるかもしれない。
イノピナツム現地球の植え替え
え。少な。めっさ少な。
途中で切れたとかではなくこれが1年10ヶ月で育った全根。この根量であのガリガリの状態から脱して、生きてきたとか逆にすごい。
上述のグラキリスはスリット鉢で、イノピはプラ鉢という違いはあれど環境や使用した用土等はほぼ一緒なので、そもそもの性質の差がこの根量の差ということかな。用土の乾きが遅いと感じたこともなかったからこの状態は想定外ですが、少々気難しいと言われるイノピらしい成長と捉えれば多少納得もいく。この子は今後数年植え替えせずにじっくりと見守るのが良さそう。今年は10月の初旬を過ぎた辺りから急に気温が下がり、最低気温は現在一桁。既に全員室内に取り込みましたがイノピナツムはいつもよりかなり早く落葉を始めています。問題の始まりでないことを祈る!
グラキリス・イノピナツム共に根回りは触らず鉢増しのような感じでロング鉢へ植え替え。
1番左も同じ鉢に植え替えたかったけれども、去年(2020)の秋に枝を折ってしまってからの春に脇芽登場、その成長を妨げたくなくて今年も植え替えられず。来年こそ。
枝が折れたグラキリス、脇芽がでた
グラキリスの枝を折るのは1年ぶり2回目。どちらも現地球株で初回の方は残念ながら脇芽も生えずでしたが今回は生えてきた!!
前回同様、折れたあと何も処置せず自然に乾燥した断面
脇芽は5箇所ほど芽吹いたものの、そのうち2箇所だけが葉を展開するまで成長
植物の脇芽と植物ホルモンの関係
脇芽の発生についてそれっぽく、ざっくり言うと、それまで頂芽で作られていたオーキシンが枝が折れて量が減ることで、これまで活動が抑えられていたサイトカイニンの合成が活発となり、脇芽の休眠が打破されることが脇芽発生の一因。春先に新芽が芽吹くのは用土が暖かくなって細根が動き出し、その際に根で作られたサイトカイニンとジベレリンが頂芽に進んで新芽の発生を促すため。(落葉によって葉はないのでオーキシン量も少なく脇芽発生と同じ原理)そうやって芽吹いた新芽でオーキシンが新たに生成され、根に流れることで更に発根促進(←ここが何度も行った発根管理で、オキシベロンを使ってオーキシンを吸水させ発根を促している。一般的に葉が展開すると本体のオーキシン濃度が高まり発根の促進は止まることから、蒸散を抑えるための葉切は新芽の展開が落ち着いた後がいいかも)
しかし、塊根植物等は根がなくとも葉が出たりすることもあって、春の芽吹きや脇芽の発生に関して根から運ばれるサイトカイニンやジベレリンは絶対条件ではない。ということらしいです。
最初に枝が折れた株はその時点で発根はしていても根量が軽微であり、自身を維持することに重きをおいている段階であって古い枝の脇芽に関しては無反応かもと想像していましたが、やはり何も出てこなかったです。今回は株自体が若いということと、折れた時点で迎えて4年目だったのでしっかりと根も張っていて余力が十分にあったことも良かったのかなと。
そして去年もお伝えしたけれど5年目の今年は更に
表皮が緑。これは水に濡れた状態だから余計に緑。
ツイッターにUPしたら、成長した部分の表皮がシルバーになるかならないかは冬場の管理によるのでは?とコメントいただいたので今年の冬、ちょっと環境変えてみようかと思案中。
発根した根がなくなったベアルートパキポディウム
去年の秋ごろから調子を崩してる双頭の謎パキポディウム
夏に暑い日が続いてからちょっと痩せてきてるなと感じてそれまでの直射環境から半日陰に移したものの、あまり状態は改善しないまま春を迎え、いの一番に植え替えてみると、既に黒っぽく変色した根がポロポロと脆く崩れ落ちて…。泣いた。
発根後に育っていた根はすべて消失、本体は痩せて表皮の色も悪くなっていてこれは既に手遅れか?と思いつつ一縷の望みをかけてオキシベロンにつけた後、ルートンまぶして乾かした後スリット鉢へ。時期的に水耕での管理よりも、土に植えて発根をじっくり待ったほうが良いような気がして。その後は半~ほぼ日陰に置いて様子を見ていたところ再発根確認。
ちょっと分かりづらいかと思いますが、2020年の方は表皮に細かいシワがある状態で2021にそれは改善しているけれど、全体的な膨らみとしてはまだまだで、ひとまず一命は取り留めた状態。恐らく内部にもダメージを負っていて現在回復中といったところ。
そもそもどうしてそういった状況になったかと色々考えてみたんですが、”暑さ”くらいしか思い浮かばず。水やり後に煮えてしまったのか、何れにせよ根から始まった問題かと思います。引き続き注視せねばの謎パキポ。生きて。
まとめ
今年の植え替えや出来事で感じたことは、やはり根がしっかり育つ株は成長もしっかりするのだと当たり前なんだけれど、改めてそう感じました。
逆に根量が少ないタイプの個体においては、一概に言えないけれど徒長もし辛いように思う。ずっと気になっているのが現地球に見られる直根性のある根が成長に与える影響に関してですが、これについては更に年月かけて育てて観察していきます。
今回記載しなかった実生については、上述した通り日照不足によって盛大に徒長した子もいて、そちらに関してはいずれ枝を切ってみようかと。でも小さいころから自分で育てている子の剪定は特に心が痛むから難儀。とりあえず冬中思案してみる。
では、また。