植物日誌

ベランダと室内で育てる塊根植物、サボテンの観察日誌

グラキリスの光合成と鉢について考える

去年は大寒波続きで例年よりも雪の日が多く厳しいシーズンでしたが、西の方のパキポたちの開花が始まり我が家もチラホラ起床でようやく、春の気配。

私も植欲が上がって参りました。今年もどうぞよろしくお願いします。

 

パキポディウムの光合成タイプは?

さて、パキポディウム属を愛する皆さんにまずお伝えしたい。

ずっと知りたかったけど、なかなか答えが見つからなくてモヤモヤしてたこの疑問。

パキポの光合成タイプってなに?

パキポディウムイノピナツム

これに答えてくれる文献みつけました。

Evolution along the crassulacean acid metabolism continuum

現在もなのかは不明だけれども、フロリダ自然史博物館で蘭の分子系統学について研究されているノリスさん曰く。

パキポディウムはCAM植物

はぁ~~スッキリ。

CAM植物とはなんぞやって簡単に言えば、夜に気孔を開く植物ってこと。詳細については他のサイト様におまかせするとして、CAM植物の代表でサボテンがよく出てくるからパキポもそうなんじゃないかなーって思ってたけどやっぱりそうらしい。

ちなみにアデニウムはC3植物(普通の光合成タイプ)みたいですよ。これまた不思議。

 

鉢における成長の差

去年植え替えたグラキリスの実生について、1年経った今、植え替えた鉢での差が出てきていてそれについて考えていきます。

・多肉で良く使用されるプラ鉢と、挿し芽用のセルトレーにおける生育の差

・どちらも成長はしているけれど、成長率でいえばセルトレーの方が結果が良い

パキポディウムグラキリス 実生

2018年播種のグラキリス。1つだけプラ鉢で育成。

 これについては実生のアデニウムでもプラ鉢、スリット鉢とで同じような状況になったこともあって少しばかり疑問に感じていて…

以前にも書いたスリット鉢効果による根の増量による結果であればなんとなく納得だけど、使用しているセルトレーはスリットなしです。 じゃ、なんの差?

おそらく、薄さ。 もう一歩踏み込んで言うと鉢の薄さによって伝わる熱量の差かなと。

塊根植物を育てるには土を暖めるのが良いというふわっとした認識はありました。

私の中では土を暖める=根を暖めるという理解でしかありませんでしたが、改めて考えてみると「土が温まる→素早く土が乾く→水遣りの頻度が増える」このパターンもあるのでは?と思い至り。

更に、パキポはCAM植物なので、夜間に気孔が開く→葉の蒸散が増す→水を吸う。

日が暮れてからの水やり、特に成長期の春、秋の風のある夜に水をあげるのが1番良いということになるのでしょうか。

ただCAM植物と言われていても幼苗時はC3だったり、環境によってCAMとC3とスイッチして光合成してみたりと臨機応変な種類もいるようなので、とりあえずCAM植物とわかった一方でパキポの情報が増えていくことを願うばかり。

で、でー。 プラ鉢とセルトレーを比べると軽微ではありますがプラ鉢の方が厚みがある分、水持ちが良いです。セルトレーの実生は夏の暑い日だと1日で乾くときもあって、しかもちょっと水やりを控えると本体が水分失い過ぎて凹むこともあったり。

そしてこれは完全なる推測だけれども「水遣りの回数が増える→土に入れている元肥(我が家の場合、マグァンプ)が溶ける回数が増える→成長率が変わる」これなのでは? そして、植物が成長するということは植物細胞が分裂し増殖するということであって、大まかに言うとこの流れを促進する肥料がリンということになるらしいんですね。で、マグアンプ。 

 

肥料 マグアンプ

リンサン40、いっぱい入ってる!

この仮説、どうでしょう?

ただしCAM光合成の場合、その手間から一般的な植物よりも成長が遅くなると言われていて、その特性上、上限は自ずと定まっているとも考えられるので水をやればやるだけ成長するというわけではないです。きっと。

ただほんの少し加速させることはできる、かもしれない。

 

パキポディウムの植え替え

ところで、窓辺で大寒波を乗り越えた植物たちの枝先がモゾモゾしだしたので先日からちょこちょこと植え替え始めました。

グラキリス実生

この子はずっと普通の黒プラ鉢で管理してきているんだけど、今回はプレステラへ引っ越し。

パキポディウムグラキリス植え替え

根鉢すぎてなかなか出てこなかった

パキポの植え替えで根を整理される方も結構いらっしゃるかと思いますが、私は若干土を崩して終わり。アストロフィツムのようにメインの根が弱く、その部分から根腐れして本体も駄目になる率が高いというならばリスクを減らすために整理するのも一手ではあるけれど、実生のパキポは現地球に見られる直根性のような根が(我が家では)育たず写真の通り側根もりもりなので。

失念してしまったけれど、どなたかのブログで現地球の植え替えの度に根を処理していたら根の生育が悪くなったと読んだのも大きいです。

この辺りは色んな考え方や環境の差、成長の差があるでしょうし実生に関しては整理してもしなくてもそれなりに育つんだろうなーと思いますが念の為、自身への覚書。

 

種類不明のパキポも植え替え

こちらは育てだしてからずっとスリット鉢か、プレステラでの管理。

パキポディウム植え替え

前回の植え替えから半年、鉢の効果で根は巻かずともしっかりと土を掴んでぎっしりと育つ側根。

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根の量についてプラ鉢とスリット鉢(プレステラ鉢)での違いがあるとすれば初期が1番結果が出やすいのかなという印象。一定期間を超えればどちらでも良いように思います。

なので、一刻でも早く根を増やしたいようなとき。例えば現地球の発根を促したいときとか、シーズン中何かと世話を焼きたがりの私にはスリット鉢、プレステラが合ってる。

プラ鉢は多少水持ちが良いので、あまりこまめに水やりするタイプじゃない方とか、ちょっと厳しめに育てたい方が管理しやすいイメージですね。どちらが良い悪いというよりも素焼き鉢と駄温鉢のような感じで育てる環境に合わせて使い分けられると良いんじゃーないでしょうか。

 

では最後に、多分C3植物のアデニウムとCAM植物のグラキリスにおける成長の差を記録して終わります

アデニウムの成長速度

 アデニウム(C3型光合成)の2年

グラキリスの成長速度

グラキリス(CAM型光合成)の1年4ヶ月

やっぱりアデニウムはC3植物っぽい!

グラキリスがんばれー!

ではまたー。