久しぶりに、じーちゃんの話
今年(2021)の2月に起こった地震で鉢が倒れて、幸いにも枝含む本体に被害等は何もなかったけれど根が丸出しになってしまったじーちゃん。
夜中だったのと、久しぶりの大きな地震で動揺してあまりキチンと確認せずササッと鉢に収め、3月の終わりくらいから無事新芽登場。
したまでは良かったんですが。
葉が黄色いグラキリス
じーちゃんどうした?
毎年、新芽はうっすら斑のような状態で出てくる子ですが、今年はすごい…黄色
↑は多少変化しているんだけれども、出てきたばっかりは真っ黄色で緑なかった。
※2019年の新葉、薄く迷彩柄っぽい斑
まず最初に2月に根っこ丸出しになったストレス(または見えない部分の裂傷)による症状を疑ったけれど、本体は固くハリもあることから鉢から出して確認するのは最終手段として、色々と検索している中で最も見た目が近かったのがマグネシウム欠乏症。
ただ、症例では下葉~中葉に出やすく、鉢物ではあまり起こらないとの情報だったので悩みつつも、とりあえずこちらを投下してみることに。
2週間ほど様子を見るが、大した変化は見られず。
頭のなかで「もしかして、ウイルスでは…」と思い始める
ウイルスによる症例
モザイク病
成長点に近い新葉に、薄い緑色の斑点、葉脈に沿って緑色が薄くなり、やがて、濃淡の斑模様であるモザイクが生じる(見た目の症状がマグネシウム欠乏症に酷使している)
症状は徐々に株全体に広がり、花や萼などにもモザイク状の模様が現れ、葉の縮れなどの変形や、黒色の斑点などを生じることもある。
モザイク病に関しては、カインズさんのサイトがわかりやすかったです
成長点に近い葉:◎
薄い緑色の斑点:◯
葉脈に沿って:△
濃淡のモザイク柄:◯
とても当てはまります
とりあえず、鉢物なので土からの媒介はなくとも虫から感染するといけないと思い、他の子とは物理的に離れた場所へ置いてみる
ウイルス…まじかー…。結構、いやかなり思い入れがある子だから破棄はしたくない。
しかし他の植物に感染して破棄しなければならないのは最も避けたい。
芽吹きから2ヶ月後
1枚目の写真と同じ場所。かなり緑に変化してきてる。
んんんん?
ウイルス性って進行するにつれて酷くなることはあっても回復するってことは多分ないはず(あるのかな?)
とすれば。
やっぱり斑てきな?じーちゃん、そうなの?
じじいは答えてくれないので、こちらで斑について調べました、すると。
曙斑
曙斑は新芽が伸びる時、白や黄色のうぶ斑として現れ、葉の生長にともなって地色の緑色に変化する性質を示す斑をいう。
曙は斑の色を表現しているのではなく、斑入りの状態が時間とともに変化する様子を意味し、夜明けに似ていることに由来している。
曙斑は、遺伝学的にはヴィレッセンスと呼ばれ、葉緑体の発達が遅いため葉の伸長に追いつかない変異とされる。
うぶ斑ってなんぞって思ったら、サボテンや多肉界隈で言うとこの全斑ってやつ
たしかに、そうだ。
今年のような全斑でないにしても、毎年新芽はうっすら斑からのぉ全緑。
おいじじい。おれは曙斑だっ!て初めに!言っといて!ホウレンソウ!
斑について調べる
曙斑かもしれないと思った一方で、どうして例年よりはっきりと出たのか不思議に思い考えてみました。
今年はちょっと思うところがあって、9割の植物を早めに終日外管理へ移行しています。昨日の最低気温は14℃、最高24℃、4月には既に外にいたので、もう少し低温も経験しており去年までならば夜はまだ室内へ取り込んで、毎朝ベランダへ出すという状況です。
未発根ベアルートだった子たちも発根から1年以上経過して、少々シビアな環境におかれても大丈夫だろうとそうしたのです。
で、斑なんですが。
斑入りの形質発現は温度に強く影響されることが多いです。例えば、北海道で斑入りがきれいに出ていた変異体を九州に持ってきたらうまく斑入りが出ないといったようなことがあります。つまり、低温にする(もしくは、昼夜の温度差を大きくする)と斑入りがきれいに出ることがあるかもしれません。逆もあるかもしれませんが、一般には、低温で斑入りが強く出る変異が多いように思います。
これだな。うん。
例年よりも低温にあたったことにより曙斑が強くでた。
と思いたい。
ウイルス性ではなく、斑だと証明するには、結実させて実生して子も同じ性質を持つことを実証すれば良いかと思うんですが、じじい、花咲かず。
そして、同じ時期(2019年初夏)に恐らく同じコロニーまたは近しい場所のコロニーから採取されたと思われる本体緑グラキリスを購入された方たちはどうなんだろうと気になってます。
ひとまず、万が一のこともあるので別管理しながら花が咲くのを待ってみる。
今回はここまで。ではまた。