植物日誌

ベランダと室内で育てる塊根植物、サボテンの観察日誌

ロフォフォラ(ロホホラ)の夏 蒸し作りについて考える

九州からの転勤で東北在住のわたし、今年(2023年)の東北は暑い!

去年(2022年)の8月は30度を超えた日が12日、9月も半ばになると最高気温が22~3度という短くも過ごしやすい夏が東北における ”いつもの夏” なんですが、7月の後半から8月まで30℃を下回った日は1日のみ、生まれも育ちもこの地域の方たちが「こんなの初めて…」と言う近年稀にみる猛暑の夏となりました。

気温だけでなく湿度も高めで九州の夏っぽいなーと懐かしさを感じつつ、夏の東北の良さがない!としんどくもあるシーズンですが、この状況を楽しんでいるのがロフォフォラ属の皆さんです

 

 

 

 

ロフォフォラ、成長する

ロフォフォラ ロホホラ 烏羽玉

 

(上)2023年6月中旬に植え替えたとき

(下)2ヶ月半経った8月の終わり

ダニにやられて傷ついた肌のお陰で成長がとてもわかりやすい!

そもそも関東以西の地域、そうでなくともフレームやハウス栽培で育てられている方にとっては至って普通の成長速度かもしれません。がー。

冒頭のとおり、夏は短く過ごしやすい東北のわが街におけるベランダ環境においては、例年の倍速といっていい程の成長率で「ロフォフォラは蒸し作りが良い」とされている所以を実体験として感じとった所存なのです

なのでこの記事が参考になるとすれば、関東より東にお住まいの皆さん、もしくは夏の暑い時期が短いところにお住まいの方に向けて…となるかもしれない。

 

自生地における環境

分布と生息地

L. williamsiiは北アメリカ南部原産で、主にメキシコに分布しています。米国ではテキサス州南部に生育します。メキシコでは、チワワ州、コアウイラ州、ヌエボレオン州、タマウリパス州から北のサンルイスポトシ州とサカテカス州までに生育しています。チワワ砂漠では主に標高 100 ~ 1,500 mで見られますが、例外的に標高 1,900 mまでの場所で見られます。しかし、タマウリパス州のより穏やかな気候にも存在します。生息地は主に砂漠の低木地帯、特にタマウリパス州のとげのある低木地帯です。石灰岩の丘の上やその近くでよく見られます。

引用 Wikipedia

Lophophora williamsii

 

ロフォフォラはその8割がメキシコに点在し、他方アメリカでは下流になるメキシコまで続くリオ・グランデ川周辺にのみ存在しているようです。

ロフォフォラ自生地における中央地域と思われるLa Fuenteを例とすると

暖かい季節は、4月~6月で平均最高気温は27°C。

最も暑い月の平均最高気温は 28°C、最低気温は13°C。

涼しい季節は、11月~2月で平均最高気温は23°C未満。

最も寒い月の平均最低気温は5°C、最高気温は22°Cです。

年間を通して考えると5℃~30℃前後という感じでしょうか。

乾季と雨季があり湿度は0~50%、年間を通して乾燥気味の一帯となります。

またメキシコ全体の気候として、雨季という一定の期間に雨が降り続くというよりは1日の中で「午前は晴れ、午後は土砂降り」のように緩急ある時期という意味合いが強いようです。そして乾季はイメージ通り、雨が全く振らず大地は干上がるとのこと。

とはいえ、広範囲に広がるロフォフォラの自生地は一概に上記のとおりではないでしょうからあくまで参考程度。

 The Rain

自生地の1つ、チワワ砂漠。雨季の3ヶ月においても雨量は100㎜/月しかない

 

我が家における今年の環境と水やり

置き場所は普通のマンションベランダ(南向き)で、ロフォフォラたちは柵の部分に鎮座。日中は柵が作る日陰がありつつも約3~4時間ほど直射日光に当たっています。

今シーズンの最高気温は気象庁によると36.8℃、繰り返しになりますが今年は7月の後半から9月の中旬まで30℃を下回ることはなく連続の真夏日。

また今年は気温と共に湿度も高く、ジメジメとした毎日が続いています。

ハウス・フレームよりも温度は低いでしょうが、ロフォフォラを育てだしてから初めての状況です。

夏の水やりは鉢内の水分が9割なくなったなと感じたら頭からザーーッとあげてます。これは去年までも一緒で、1年を通して湿度が低く、ダニにやられるため毛の綺麗さは二の次。ロフォフォラの毛を含めてキレイに育てられている方、本当に尊敬する!

 

気温とロフォフォラの成長について

今年、これまでとは違う夏を経験し、連続する高気温においてロフォフォラがどう成長するのかとても興味深く観察することができました。

一言でいうと「成長速度、体感2倍」

これが、蒸し作りを推奨される所以か…と。

我が家の環境は原産地に近いため例年通りの気候であるならば、成長は遅く、花もシーズン中に1度開花する程度。それが今年は6月から断続的に咲き続けています。

他のロフォフォラ愛好者のみなさんがシーズン中のロフォフォラの花が咲き続けていると言われていた意味がやっとわかった。そしてこれは単純に気温の高さかなと。今年は6月半ばから8月まで3回開花、植物学的なことは色々すっ飛ばして短絡的に計算すると開花は25日で1クール。去年までの1シーズンに1回開花と気温の関係を考えてみても一致するよなぁと。

まとめるとロフォフォラは最高気温が30℃前後以降で成長率高く、それが20日前後継続されると花芽形成されるということかも。ま、他の環境での確認はできないので推測ですけど。

本体の成長及び花に関しては気温が絶対条件として、あとは「蒸し作り」の「蒸し」ってなんで必要なんだろう?と考えてみたけれど、湿度が高いとダニがつきずらいので我が家のロフォフォラような痛々しい感じにはならない。みたいな、見た目の話かな?そうなのかな?

検索してみると蒸し作りは肌がみずみずしくなると書かれているものが多かったけれど、みずみずしいの感覚がよく分かりませんでした。私の目、ポンコツ。

 peyote flowered

メキシコで生きるロフォフォラ。膨らんでいるから水気のある状態と思われるが、蒸されてはいないだろうと推測すると、みずみずしさという観点からの湿度は個人的にいらないかとも思う。

でも成長率に関係しているならちょっと蒸したい。求む、蒸す理由。

 

まとめ

ロフォフォラの成長にとって継続した高温が有効であるという所見を得た本年度でしたが、たしかにグイグイ成長する様や何度も開花する可愛らしい花を見るのは楽しかった!しかし、毎シーズンこうであってほしいかと考えると、植物を育てるのは趣味ですし、早く大きくする意味もあまりないので、株が健康で元気であれば成長のスピードはいつも通りでいいかなと感じました。

でも斑入りだったり、綴化である場合、時間を早送りするための手段としては有効だよなーとも思ったりする。

とにかく人間的にはしんどかった今シーズンの気候はたまたま、来年はまた通常通りの可能性のほうが高いですが新しい学びのある夏でとても楽しめました。

自家受粉する烏羽玉が種を残してくれたので、播種もできたしね!

サボテンを種から育てるのは物凄く不得意だけど、ブログに記録できるくらい育ちますように。

ではまた。